日本三奇

日本には古くから「奇跡」と伝えられる建造物があります。いつ、だれが、何のために、どうやって作ったのか?
その由来は、神話を含めて諸説あり、人間の常識や現代の科学をもってしても、未だにその明確な答えはありません。
江戸時代の医者、橘南谿が記した書物の中で、“3つの奇跡”と紹介されたことから「日本三奇」と呼ばれ、悠久のときを超え、人々を魅了し続けています。

石の宝殿(いしのほうでん) 兵庫県高砂市 生石神社

水に浮かぶ、奇跡の巨岩。

石乃宝殿

神代の昔、天津神の命を受けた大穴牟遅と少毘古那が、 国土経営のため出雲からこの地に至り、国を守るための 「石の宝殿」の建造にとりかかりましたが、土着の神の 反乱を受け、それを鎮圧している間に夜が明けてしまい ました。そのため、宮殿は現在の形である、横倒しのま ま引き起こすことができませんでした。そこで二神は、 たとえ未完成でもこの宮殿に鎮まり、国土を守ることを 誓ったといいます。

生石神社

国内に疫病が流行していた崇神天皇の時代、石の宝殿に 鎮まる大穴牟遅と少毘古那の神が崇神天皇の夢に表れ、 「吾らを祀れば天下は泰平になる」と告げたことから、 現在地に生石神社が創建されたといわれています。

天之逆鉾(あまのさかほこ) 宮崎県西諸県郡高原町 霧島東神社

高千穂峰の山頂に突き立てられた謎多き、伝説の天之逆鉾

天之逆鉾

天孫降臨の地、高千穂峰の山頂に突き立てられた「天之 逆鉾」は、神話の中で「イザナギ」「イザナミ」の夫婦 神が日本列島を作るために大地に突き刺しかき混ぜたと されています。300年以上前の文献にも記載があり「天 下の奇物」として知られるようになりました。高千穂峰 は、霧島修験の聖地であり山は非常に険しく、そう簡単 に登ることはできませんでした。それにも関わらず大勢 の旅行者が一目見ようと、危険を厭わず訪れました。多 くの旅行者の中で最も有名なのが、あの坂本龍馬です。 新婚旅行で妻のお龍と訪れ、二人で天之逆鉾を引き抜い たとの記録も残っています。

霧島東神社

壮健は第10代祟神天皇の時代といわれており、主祭神 として伊邪那岐命、伊邪那美命を祀っており、霧島六社 権現のうちの1つに数えられています。

四口の神竈(よんくのしんかま) 宮城県塩竈市 御釜神社

変事があると、色が変わる謎多き、四口の神竈

四口の神竈

御釜神社境内にある「四口の神竈」と呼ばれる鉄製 の竈。「竈の水があふれない・干上がらない」、「変事が あると竈の水の色が変わる」と言い伝えられており、江 戸時代には大きな変化があった場合、仙台藩に届け出る こととなっており、先の震災でも水の色が変化したとい われております。

御釡神社

東北鎮護・陸奥国一之宮鹽竈神社の末社のひとつで、塩 づくりの製法を伝授した鹽土老翁神を祀っています。